「ふん、そんな事は関係ないね。あの方からの伝言だよ」

 メドーサはそう言うと手紙を二人に投げ渡した。





 ゴーストスイーパー美神 GOS

作:ガイギス

第2話






「うわとっと」

「それじゃあ確かにわたしたよ」

 メドーサはそう言うと何処かへと消えた。
 横島は投げられた手紙を何とかキャッチし、ルシオラと一緒に中を見た。

「……妙神山に彼女を連れて行くこと?」

「そしたら依頼料を払うって……ヨコシマ変じゃない?」

「ああ……けどあいつはどう見ても魔族の筈なんだけど……なんで神族のテリトリーなんだ?」

「さあ?」

「まあけど妙神山には小竜姫様と老師がいるはずだし……彼女を運ぶか」

「そうね……あら? けどこんな事が書いてあるわよ?」

 ルシオラはそう言うと手紙の端を指差した。

「『なお移転、飛行で行く事を禁ずる』……いや、それしないと人担いで行くのは大変なんだぞ?」

「まあ仕方ないわよ、これ以上美神さんの機嫌が悪くならないうちに……ね?」

「そ、そうだな」

 横島はそう言って納得すると二人は急いで家に帰った。
 なお強奪<救い出?>された少女はまだ一度も目を開ける事はなかった。




「ヨコシマ、大丈夫?」

「おう! これくらい平気平気!」

 横島はそういいながらも汗だくになりながら山を登っていた。
 二人の格好はルシオラは手ぶら、横島はルシオラが作った特殊なかばんを背負っていた。
 そのかばんは中央が椅子になっていて、左右に荷物が置けるようになっていた。
 その椅子に少女が座っていてシートベルトで固定されていた。
 さらに左右にも少量ながら荷物があるようだ。
 ルシオラは荷物を持とうとしたが横島は男の意地でそれを断った。
 有史以前から男は好きな女に見栄を張るものである。

「そういえばパピリオがいるんだったよね、妙神山には」

「手紙ではそう書いてあったな、お前が来たら喜ぶぞ?」

「そうね」

 ルシオラはそう言うとクスッと笑った。
 横島はそんなルシオラに一瞬見惚れていた。

「ヨコシマ?」

「え? あ、なんでもない……うわ!」

 横島は恥ずかしそうに視線をルシオラから外し……こけた。

「ヨコシマ!」

「いててて……」

「大丈夫?」

「おう!」

 横島はそう言って親指を立てた。




「久しぶりだな横島」

「してその背負っている女子と横にいる娘はいったいどういう関係か?」

「おう久しぶりだな、鬼門。
 小竜姫様呼んでくれないか? ちょっと色々あってな」

「心得た……こちらに向かってきておる」

「んで彼女はルシオラって言うんだが……俺の彼女だ」

 横島はルシオラのほうを見ながら言った。
 鬼門はそろってルシオラを見たが少し驚いたような顔をした。

「おい右の、こやつ……」

「そうだな……横島、その横にいる娘と後ろに背負っている女子……」

「ん?」

「ふた……」

「おい左の!」

「なんだ?」

「われらが言ってもし関係が崩れでもしたらどうする?
 人外とはいえようやく横島にも彼女と呼べるべきものが出来たのだ。
 ここは人外というのはだまって置くべきだろう!?」

「そうだな……」

「むっちゃ聞こえてるぞ二人とも」

「あ、大丈夫です、横島には私のことちゃんと話してあります」

「それに有史以来人と魔が夫婦になったって例は幾つもあるんだろ?
 これは西条の奴の受け売りだけど」

「おうなんだ、ならば気にせずとも良かったではないか、右の」

「俺は美人ならば例え神だろうと魔族だろうと妖怪だろうとOKだぜ?」

「……」

「ああ! けど今はルシオラ一筋だから!」

 ルシオラが少し悲しそうな視線で横島を見ると横島はすぐにそう訂正した。

「それじゃあ入ってもいいよな? 鬼門」

「おう」

「横島さんおひさし……ぶりです」

 横島達が鬼門をくぐる前に小竜姫が門を開けた。
 小竜姫は横島の隣にそっと寄り添っているルシオラの姿を見て一瞬言葉が詰まったものの挨拶をした。

「どうもお久しぶりです、あ、こいつはルシオラ、俺の彼女っす」

「どうもはじめまして……かな? 妹がお世話になってます」

「あ? え? ど、どうも……妹さん?」

「あれ? パピリオってここに居ますよね?」

「あ、はい……パピリオの姉ってペスパと……けど確か死んじゃったって……」

 小竜姫はその場でしばらく考え込んだ。
 横島は苦笑するとルシオラの手を引っ張って門をくぐり静かに背中のリュックを置いた。

「……彼女はいいの?」

「うん、俺じゃルシオラが復活したって上手く説明できそうになくて……
 適当に説明してくれない? 佑輔とメドーサのことは伏せて」

 横島は後半はルシオラの耳にだけ聞こえるようにそっと言った。
 それにくすぐったかったのかルシオラは身震いして……横島と距離をとった。

「あれ? どうしたの?」

「う、うん、なんでもない」

 そういうルシオラは顔が真っ赤だった。
 横島はそれを訊こうとしたが、

「ポチ〜……じゃなかった、ヨコチマ〜〜!!」

「へ? うわ!」

 パピリオの捨て身タックルを受けそれどころではなかった。

「いててて……おう、元気そうだな」

「ヨコチマこっち来るの早かったでちゅ……うわ!」

 ルシオラは横島の腰に抱きついているパピリオの襟首を掴み持ち上げた。

「パピリオ〜!!! 折角復活できた私ではなくてどうして最初に横島のほうに行くのかな〜?」

「へ? その声は……」

 パピリオはそのままつるし上げられた為ルシオラの顔を見ることは出来ないでいた。
 ルシオラはしばらくパピリオが自分のほうを向けないように手の角度を変えたがとうとう振り向かれてしまった。

「やっぱり、ルシオラちゃん!!」

「まったく……横島に抱き着いていいのは私だけなんだから」

 ルシオラは最後のほうは小さくボソッとだけ言った。

「え? なんでちゅか?」

「良いのなんでもないわ」

「う、う〜〜ん」

 パピリオとルシオラがそうやって戯れているとリュックの椅子に固定されていた少女がうなり始めた。

「あれ? お〜いルシオラ、すまないけどベルト外してくれ」

「あ、は〜い」

 ルシオラはそう言うとパピリオをぽいと捨て作業に取り掛かった。
 パピリオは頭から地面に落ちてルシオラを睨んだが、横島が頭をなでた為気にしない事にした。

「この子はいったい誰でちゅか?」

「う〜ん、実は色々わけあって……ね?」

「私が復活するのに協力してくれた人の……なんだろう? 子供かしら?」

「そんなところ……だよな」

「それはおかしいでちゅ、だってこの子明らかに霊気とは異なったものを帯びてまちゅ」

「う、う〜ん……うわ!」

「ルシオラ! パピリオ! ぐわ……」

 ルシオラがどういおうかと考えていた時、突如少女を中心に激しい霊圧が発生した。
 横島は二人を守るように前に出たが結局受け流しきれず後ろに吹っ飛んだ。

「……ヨコチマ、大丈夫でちゅか?」

「ああ、なんとか……攻撃じゃないみたいだけど……すごい霊圧だ……あれ?」

「う、うそ……」

「よ、ヨコチマ」

「な、なんだ?」

「なんで人間の子供が背中から白い羽を生やしているんでちゅか? しかも3対も」

「わ、解からん!」

 横島がそう言うと少女の羽は少しずつたたまれていき、
 それと平行にだんだん霊圧が収まってきてついには一般の人と同じくらいにまでなった。
 なお羽はすべて体内へと戻っていった。

「いったい何事ですか!?」

「お、俺にもさっぱり……」

「お〜い小竜姫! いった……」

「老師!」
「……?」

 猿神はこちらに近づいたが少女が猿神を見ると猿神は固まった。
 その少女は今までは黒い髪の毛だったのだが空色の髪へと変わり、目は血のように紅かった。

「そんな、まさか……」

「……」

「老師、この人の事知っているんですか?」

「ああ……さっき感じた霊圧、そして容姿……お主名はなんと言う?」

 猿神がそう訊くと少女は首をかしげた後小さな声で、

「……(れい)

 とだけ答えた。
 猿神はそれを聞くとしばし固まった後、その場にへたり込んだ。

「老師!?」

「ちょ、大丈夫でちゅか?」

「え? え? え?」

「……」

「ヨコシマ落ち着いて、ちょっと大丈夫なのその……お猿さん?」

「わしゃ斉天大聖じゃ!」

 ルシオラのお猿さん発言に猿神は突っ込みを入れ小竜姫とパピリオに連れられながらまだ建築途中の建物の中に入った。

「零殿、おぬしも来られよ」

「……」

 猿神がそう言うと少女……零は黙って後についていった。
 なおその後ろから横島とルシオラがついて行った。




「どこまで覚えておられますかのう?」

 猿神はお茶を一杯飲んで落ち着いた後そう訊いた。

「……あの人と一緒に滅んだ」

「あの人?」

 横島が訊くと零は首を縦に振った。

「『あの人』とは……魔族じゃな?」

 猿神の質問にも同様に頷くだけだった。
 その後猿神が色々な事訊いたが首を縦に振るか横に振るか、傾げるかしかしなかった。

「……大体状況は解かりましたわい。
 申し訳ありませんがしばらく別室にて休んでもらえませんかのう?
 流石に疲れたじゃろうし」

 猿神がそう言うと零は黙って頷くと小竜姫の案内の元別室に連れて行かれた。

「……それで老師、いったい彼女は誰なんですか?」

「まあ横島、慌てるでない……彼女は元熾天使……つまり天使界の最上位の階級にいた方じゃ」

「え〜と……つまり?」

「昔は我らなど足元にも及ばんほどの高貴な方じゃった……と書いてあってのう」

「え? 老師知っているんじゃないんですか?」

「そうでちゅ、知っている風な喋り方だったでちゅ」

「いや、それはわしが若い頃天上界に来た時に読んだある歴史書に載っていたんじゃ。
 たしか
 『そのもの、惑星をも包む大きな3対の羽にその内側にもう3対の自身を包むほどの
  羽があり、髪はまるで掃天の彼方の色、目はまるで血の様に紅き色。
  そのもの最初に魔族との架け橋を結ばん』

 ……じゃったかな」

「「「魔族との架け橋?」」」

「でちゅか?」

「たしかのう……天使としての名前はちと思いだせんが……その魔族とかかわった時の名前が
 『零』だったそうじゃ」

「へ〜」

「ということはデタントの発端となったあの?」

「そうじゃ」

 小竜姫はそう言うと何度も首を縦に振った。

「? まあいいや……それでどうするんだ?」

「まずは上への報告じゃな、流石にわしの一存で決める事じゃないからのう」

「そうっすか」

「それよりもルシオラちゃん、いったいどうやって復活したんでちゅか?」

「さっきあなたの復活とさっきの方とは同じ人が作ったと聞きましたが?」

「ほう、それは興味があるのう。
 横島、お主包み隠さず詳細を教えてもらおうかのう?」

「う……」

「あ、説明は私が……」

 横島をかばうようにルシオラがそう言ったが猿神は首を横に振った。

「駄目じゃ、こういうのは嘘が下手な横島のほうが良い」

「そんな〜」

 その後横島は猿神、小竜姫、パピリオに問い詰められて今までの経緯をすべて述べさせられた。
 ルシオラは悔しそうに横島の片手を握りながら黙って聞いた。




「あれ? 依頼は失敗したって横島君から聞いたけど?」

「いえ? 依頼内容は十分こなしてもらいましたよ?」

 横島達が妙神山にたどり着いた頃、美神の所に佑輔が報酬を持って現れた。

「ほんと!?」

「ええ……目的の半分、護衛はこの通り私が無事だったので問題なく達成です」

「そうね」

「経験談のほうですが……私が思うものと別の結果になってしまって……」

「そうなの?」

「はい、ですがそれは私の予想違いだっただけで……彼はよくやってくれました」

「へ〜」

「ですが結果が別のものになって私がその場を離れたので勘違いしたのかな?
 それで多分こちらに戻ってきたんだと思います」

「なるほど、横島君にしては珍しい事だけど……解かりました」

「あ、それと彼をもう1週間ばかり借りますね?」

「え?」

「最後の最終調整、というか集大成というか……その最後のつめがまだ甘いので……」

「まあ解かりました、こちらとしても乗りかかった船ですしね」

「ありがとうございます、報酬は無事終わった後その分は別で支払わせていただきます」

「解かりました」

 佑輔はそう言うと一礼してその場を去った。
 美神はユウスケガ事務所を出た後早速金勘定をはじめた。
 なおおキヌは学校に行っている。




「なるほど、魔王とな」

「まあ本人はその残りカスが活性化したとか言ってたな」

「問題はそれよりもメドーサです!」

「いや小竜姫様、多分大丈夫だと思います……人を弄んだりすると死ぬとか言ってました」

「え?」

「さっき言った佑輔さんにそういうふうに作られたとか何とか……」

「そ、そうなの?」

「実は私がその後本当にそうか確認したんですが……私の時と同じ遺伝子レベルでの枷でした」

 横島の言葉を補足するような形でルシオラが付け足した。

「ま、そういうわけっすから多分メドーサのほうも大丈夫だと思います」

「なら一度あいたいんですけど……」

「あ、なら来ます? 俺も零さんの事とかも聞きたいですし」

「まあ待て、そうあわてるでない。今わしが天界に行って報告する、それが終わってからじゃ」

 猿紙はそう言うとよっこらしょと立ち上がった。
 小竜姫はそういわれるとしぶしぶながら納得した。
 流石に師匠には頭が上がらないようだ。

「了解っす……それで俺達はどうしたいいっすか?」

「そうじゃのう。天界でどうでるかはさておき、結果が出るまではここを出ないでくれんかのう?」

「え? でも美神さんの所に一度電話しないと……」

「そういえば黙ってきちゃったよね?」

「それは私が……いいですか?老師」

「……そうじゃの、任せるわい」

 猿神はそう言うと建物の奥へと向かった。

「それじゃあ行ってきます、パピリオ、横島さんにあまり迷惑かけないでくださいよ?」

「私はそんな子供じゃないちゅ」

「妹の世話輪姉の私がきちっとしますから大丈夫です」

「そう……ですか、よろしくお願いします」

 小竜姫はそう言うとその場から消えた。

「けどいったいどうなるんだろうな?」

「解からない」

「それよりもヨコチマ! ルシオラちゃん! 遊ぶでちゅ!」




「え? 横島君妙神山にいるの?」

「はい、色々とごたごたがありまして……
 沙汰があるまではしばらくこちらで預からせていただくと老師が……」

「ふ〜ん……まあ大丈夫よ?
 もともともっと遅くにこっちに戻るはずだったからね、当初の予定道理ってことね。
 それに依頼もここんとかあんまりないし」

「はあ……あ、それでは失礼します」

「ええ、伝令ご苦労様でした、小竜姫様」

「あ、はい」

 小竜姫はそう言うと美神の事務所を後にした。

「あ、けどルシオラさんの事とか話さなかったけど……まあ大丈夫よね?」




 横島が妙神山に来てから2日目の昼、猿神があわてて戻ってきた。

「どうしたんすか? やけにあわててますけど……」

「そりゃ慌てるわい、異例の速さで指示がおりよったわ」

「それで……どうなりました?」

「そこの嬢ちゃんは不問にという事になってのう、良かったの、横島」

「そうっすか、よかった〜」

 横島はへなへなとその場に崩れ落ちた。

「ちょ、ヨコシマ?」

「いや、安心したら急に力が抜けちゃって」

「まあ、一番の心配事が解除されたんだからの」

「お猿、私はまだここにいなきゃいけないんでちゅか?」

「そうじゃの、お主はジークに続き魔族と神族のハルマゲドンを回避するための和平の道へのテスト
 ケースもかねているのじゃ。まだそう早くは出られんのう」

「ぶ〜でちゅ」

「まあまあパピリオ、私達もこれからはちょくちょく来るから」

「ほんとでちゅか!」

「おう」

「ええ、勿論」

「約束でちゅよ!」

「さ〜てと、これでようやく心配事もおわ……あ」

「どうしたの? ヨコシマ?」

「いや、彼女はどうなったのかなと思ってさ」

 横島はそういいながら部屋の扉を見た。
 その方角にはいまだ別室で休んでいる零がいた。

「あ、それともそれは秘密っすか?」

「……いや、おぬし達も無関係とはいいがたいしの、まあ大丈夫じゃろて」

 猿神はそういうと小竜姫に零を連れてこさせた。

「あなた様のご処遇か決まりました」

「……そう」

「『旧天使リルザエル、何時の力を再度封印しその力を天界に届ける事。
 又現在潜伏中の汝の創造主の説得に当たる事。
 これらが果たせる時汝の願いを聞き届ける』……だそうじゃ」

 猿神は手に持つ紙を読み上げた。

「……そう」

 零は感情のこもらぬ声でそう答えた。




「ええとここっす、この扉の向こうが異空間になってるっす」

「外見は普通のビルですね」

 横島、ルシオラ、小竜姫、零の四人は佑輔のアジトに向かった。

「それじゃあいいっすか? 開けますよ?」

「ええ、お願いします」

 小竜姫がそういうと横島はそうっと扉を開けた。
 そこは奥に扉がある少し広めの部屋だった。

「あれ? 確かここはあの広場って言うか研究室っぽい所だったのに……」

「そうなんですか?」

「はい。丁度奥にチューブらしきものがあってルシオラと彼女、零さんが作られ、いや生まれました」

「というよりも復活……かしら?」

「そうだな、ルシオラ」

「なるほど……では兎に角入ってみましょう」

「あ、はい……」

 4人は部屋に入ると扉が閉まり床が輝きだした。
 4人が口を開ける前にその光は部屋中に広がった。

「……」

 そんななか零はその光を見てはじめて表情を変えた。
 その顔は確かに微笑んでいた。




「……あれ?」

「ここは?」

 二人は横島の自宅の玄関に立っていた。
 さらにその二人の前に紙がひらひらと落ちてきた。

「これは……」

「え〜と何々、『依頼は完全に完了しました。
 美神さんのほうにも報酬を渡しますがそれとは別に横島の家に報酬を置いておきます。
 内容は美神さんと同じ奴を1個です。
 それとそれとは別にもう幾つか……まずはスーツケースの上に載っているアクセサリー。
 これは二つに分かれ所持している人と念話をする事が出来ます。
 それとおそらくすぐに出るであろう退避通知、このアパートを一度壊し新しいものを作ります。
 ああ、私が大家になったので元々住んでいる人は元の家賃のままで結構です。
 他のアパートの住民には私のほうからいいますので気を使わなくて結構です。
 それではお二人ともこれから末永く幸せに暮らしてください』
 …………ふ〜ん、あ、アクセサリーってこれか」

「ヨコシマ、まだ続きがあるわよ?」

「へ? 『なおこの手紙は自動的に消滅する』?」

「ちょ、よこ……」

 ルシオラがなにか言う前に手紙は爆発し、二人は黒焦げになった。

「……殺傷能力はないのね」

「ゲホ」

 横島とルシオラはその場に支えあうようにして座り込んだ。
 二人は少し休んだ後もう一度ビルへ行ってみるとそこはもぬけの殻で普通のビルの使われない一室だった。
 その後二人は妙神山へ行くと同じく黒焦げになった小竜姫、猿神、パピリオがいた。

「大丈夫っすか? 小竜姫様、パピリオ」

「ええ、驚きましたがダメージはさほど」

「私も大丈夫でちゅ」

「そう良かった……あれ? 零さんは?」

「それが……」

 小竜姫はそう言うと手紙の内容を話した。
 それによると事態はすべて収まり、天界、魔界にそれぞれの力を明け渡し望みどおり静かに暮らすそうだ。
 なおこの間ずっと無視されていた猿神はシクシクと部屋の隅で泣いていた。




(あとがき)
 作者>さてと、今回はこれで……
 横島>ありゃ?確か……
 ルシオラ>この後もう一つあるんじゃなかったの?
 作者>いや〜思ったよりも長くなっちゃってさ、仕方ないからこっちで切る事にした
 ルシオラ>そう……
 作者>これ以上は管理人さんにも色々話さないとな……かぶることも多そうだし
 横島>で?次はどうするんだ?
 作者>管理人さんとハルカさんの了承を得られるかによってかなり変わる……
 横島>得られれば?
 作者>原作テイストのオリジナル
 ルシオラ>えられなければ?
 作者>オリジナルに移行……このオリジナルはどう転ぶか不明
 横島>という事は……逆行?
 作者>する可能性もあるししない可能性もある
 ルシオラ>佑輔さんとレイさんとのカラミは?
 作者>どっちにつけても当分先、しばらく君達のラブラブで行く予定だから
 横島>そ、そうか……
 ルシオラ>ヨコシマとラブラブ……<色々と妄想中
 作者>それではこれで
 横島>だな
 ルシオラ>あそこにいって……けどあっちで……<いまだ妄想中


【管理人の感想】
 零ちゃんの登場で、ここでE○Aとのクロスになるのかと驚いたのですが、どうやら取り越し苦労
 だったようです。(先の展開で、どうなるかまではわかりませんが)

 パピリオ、ルシオラを無視して、横島に抱きつきタックル。
 それでええんかっ! と思ったのは私だけではないと思います。(^^)

 あとがきの件ですが、私はオッケーです。(ここは『問題ない』と言うべきでしょうか。;^^)
 ハルカさんの方には、別途連絡をお願いします。


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