「タマモ、ちょっと一緒に来て」

「いや」

 美神がタマモを誘うとタマモはぷいっとそっぽを向いた。

「あっそ、じゃあ別にいいわ。
 あ、おキヌちゃんこいつも掃除手伝うって」

「え? あ、いやそんな事は言ってないけど?」

「だって一緒に行きたくないんでしょ? だったら手伝いなさいよ、家主命令」

「ぐ……わかったわよ」

 タマモはそう言うと少し悔しそうにそう言った。

「相変わらずグータラでござるな」

「シロちゃんは手伝ってくれるわよね?」

「勿論でござるよ!」

 美神とタマモを見送ったおキヌとシロはそういって屋敷内の掃除を始めた。
 それからしばらくして横島とルシオラも事務所に到着、必然的に掃除を手伝った。





 ゴーストスイーパー美神 GOS

作:ガイギス

第12話






「令子……!? 令子!! どこなのよ!? 出てきなさいっ!!」

 美智恵はひのめを抱いたまま美神事務所のある屋敷を歩き回った。

「あれ……? 隊長さん」

「美神さんなら出かけましたよ?」

「どこに行ったかは解りませんが……」

 そこにある程度掃除の終わった横島達が現れた。

「あんのムスメは……!! 逃げたのね!?」

「逃げた……?」

「明日うちのダンナがフィールドワークに出かけるのよ、次はいつ戻るか解らないのに―――」

「ダンナって……」

「!! 美神さんのお父さん……!!」

「あのコったら理由を付けちゃあほとんど父親と顔をあわせずじまいで……
 せめて今夜は家族で食事して明日の見送りぐらいはさせようと思ったのよ。
 …………ま、そんなにイヤならしょうがないわね。
 一応、飛行機は明日の7時って伝えといて。
 ごめんね、私事でジャマしちゃって」

「バイ―――」

「ども―――」

 横島達が挨拶すると、美智恵はひのめをつれて事務所を後にした。

「……美神どのは、お父上が嫌いなのでござるか?」

「さあ……よくは知らないんだけど、前からあまり話したがらなかったわね」

「先生は……あれ?」

「ルシオラさんもいない……」

 二人はこつぜんと消えた二人をきょろきょろと探した。
 その二人はおキヌ達の一階下の部屋に来ていた。
 いや、来ていたと言うより……

「ちょ、ヨコシマ!? いったいどうしたの?」

 ルシオラは横島に引っ張られてつれてこられた。

「ルシオラ、聞いてくれ」

「え……ええ……」

 横島のいつになく真剣な表情にルシオラも真面目な顔をした。

「美神さんと美神さんのおやじさんの仲をうまく取り持てば俺たちの給料が上がる!
 しかも上手くすれば有給休暇も取れるかもしれないし事務所での処遇だってもっと良くなる!」

 横島がそう言うとルシオラはドシャッとこけた。

「それになルシオラ! もしかしたら事務所の中でももっと……はっ」

「……ぬけがけしないでくださいよっ!」

「みんな仲間でござろう!?」

「……とりあえず美神さんのところに行きましょ?」

 ルシオラが提案すると満場一致でその提案は採用された。




「こっちに美神どのはいるでござる!」

「神父の所に行ったのか……」

 横島たちが唐巣の教会に付くと横島はそっと中をのぞいた。

「ヨコシマ、いた?」

「……いや、多分奥だ」

 横島がそう言うとルシオラ達を率いてそっと協会の奥へ向かった。
 そこではなにやら神父と美神が話していた。
 4人はそっとドアに耳をつけると行き成りドアが開いた。

「き……君たち!?」

「い、いや……!! シロの嗅覚で美神さんがお母さんのあのその……」

 横島はしどろもどろの言い訳をした。
 結局その場は何とか納まり、神父は数枚の写真を持ってきた。

「お……おおッ!? これ……隊長っスか!?」

「美神どのにそっくりでござるなっ!!」

「こうしてみるとやっぱり母親似なのね」

「唐巣さんと美神さんのお母さん、古い知り合いだったんですね」

「それで美神さん、ここで見習いしてたんだな」

「この人は?」

 タマモはそう言うと美智恵の下にあった写真を持ち上げた。

「か……かっこいいっ!? 誰です!?」

「美神さんのお父さん?」

「どうだろ?」

「いやははっ、照れるなあっ!!」

「え」

「これ……神父の……!?」

 横島がそう言うとシロ、おキヌ、横島、ルシオラは唐巣の頭を見て泣いた。

「なぜ泣く?」

「いや〜……」

 カラスがそう聞くと横島たちはてんでに目を逸らした。

「こっちは?」

「……不気味なツラだな」

「……母上どのが退治した妖怪でござらんか?」

 ルシオラが話題逸らしの為に持ち上げた写真に横島とシロは率直な感想をあげた。

「そこまで言うこたないでしょ!?」

「いっ。
 そ……それじゃ、これが――――!?」

「ウチの父親……! 美神―――公彦よ!」

 美神がそう言うと横島はばっと立ち上がった。

「とゆーことはこのねーちゃんが……くぉんなヤツのォオオ―――ものにィィイイ―――ッ!?」

 横島はそう言うと目と鼻から血を出したが、すぐにはっとなった。

「……いや、待てよ!? もしこの二人が結婚しなければ―――
 このちちもッ!! この尻もフトモモもッ!! この世に存在しなくなってしまう……!!
 いやッしかしッ……!! 〜〜〜〜〜〜〜!! ああッわからんッ……!!
 俺は喜べばいいのか悲しめばいいのか……」

「大きなお世話よ馬鹿野郎ッ!!」

 美神がそういって横島を張っ倒すとその横島をルシオラが踏みつけた。

「何考えてるのよ! ヨコシマ!!」

「……あれは―――今から21年前のことだ……!」

 唐巣はこれ以上の惨劇は見たくないようで話を始めた。




 唐巣が話している途中で、タマモ、ヨコシマ、シロ、おキヌの順で眠りに付いた。
 ルシオラはそんな横島達に唐巣に聞いて羽織るものをかけていった。

「―――これが私の知ってる、君のご両親のなれそめだ」

 唐巣の話が終わると美神は信じられなさそうに、ルシオラはどちらかと言えば納得したような顔をしていた。

「…………信じられない! ママのほうがそんなに積極的だったなんて……!」

「やっぱり女のほうから積極的に行かないとダメよね、男って変に消極的なところがあったりするし……」

「それって横島君も?」

「ええ」

「……一度こうと決めた彼女は、誰にも止められないってことだな。
 ……その点、君も同じだけどね」

 その後も唐巣と美神は話し合ったがルシオラはそっと横島の右腕を上げ横島の懐に潜り込んだ。
 その日は唐巣の話が終わるのが深夜になったため教会に泊まる事となった。




 一夜明け美神と唐巣は車で出かけた為横島とルシオラ、おキヌは学校へ、
 タマモとシロは事務所へと帰っていった。

「ヨコシマ」

「ん?」

 学校から帰ってきたルシオラは横島に抱きつくと、

「私達の子供はきちんと二人で育てようね?」

 といったが横島は、

「そうだな〜……最低高校ぐらいはしっかり卒業しないとな!」

 と返された為ルシオラはガクッと肩を落とした。

「あれ、どうした?」

「……ううん、やっぱり私から積極的に行かないといけないんだと思っただけ」

「なんのこと?」

「なんでもない」

 ルシオラはそう言うと一度強く横島を抱きしめると微笑んだ。
 横島はその態度に首をひねったがルシオラがキスするとすぐにその事は忘れた。




(あとがき)
作者>ええと……
ルシオラ>ヨコシマ〜〜♪<横島に抱きついている
横島>え〜と……
ルシオラ>ヨコシマ〜〜♪<横島の胸に頬をこすり付けている
横島>……ルシオラさん?
ルシオラ>な〜に?
横島>えっと……どうしたんでしょうか?
ルシオラ>ううん、別に
横島>そ、そうっすか……
作者>……コメントとかもらえそうにないな……
   えっと、次回はほとんどオリジナルとなる<ルシオラ視線>になります
   よければ感想などよろしくお願いします<そういってさっさと退散する


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