「ムニャ…ルシオラ〜」

「クス、どうしたの? ていっても寝てるから答え」

「最近…重い……大変………肉が多い………」

 ルシオラはその場でフリーズした。
 その横で横島は幸せそうに笑いながら夢の世界をさまよっていた。
 ………この日は二人一緒に遅刻した。




 ゴーストスイーパー美神 GOS

作:ガイギス

第22話





「美神さ〜〜ん!!」

 横島はそう言うと美神が整理している書類が置いてある机をバン! と叩いた。

「ど、どうしたの?」

 美神がひきながらそう訊くと、

「ルシオラが、ルシオラが〜〜!!」

「ルシオラさんがどうかしたんですか?」

 紅茶を持ってきたおキヌがそう訊いた。
 なお今日は休日で横島もおキヌも学校は休みである。

「実は…」

 横島はそう言うと今までとここ二〜三週間のルシオラの行動の違いを指摘していった。
 それを聞いた二人は…

「なんか惚気られた?」

「いえ、違いますよ…多分」

 と言う感想を持った。
 美神は横島が言った事をまとめた。

「取り合えず横島君にルシオラが自分の体を触らせないと…?」

「ううう……」

「それは単に横島君に飽きたんじゃない?」

「いや、流石にそれは…」

「それはない…と思います、だってキスとかは普通にするし?」

 横島がそう言うと美神とおキヌはそっと視線をはずした。

「あ、こんにちわ〜。
 ちょっと遅れました」

 ルシオラが事務所に入るとそういって横島の横にすっと近づいた。
 普段はそれに目を向けないので気づかなかったが、横島の横にいるルシオラは横島に寄り添うように立っているが、横島がルシオラに触ろうとするとそっとはなれた。

「せんせ〜〜〜!!」

 その時シロが猛然と扉を開け横島に捨て身の地獄車…もとい轢き倒し……もとい抱きついて舐めまくった。
 それはもはや横島に対する挨拶と化していて誰も気に留める事はなく、横島がシロを引き離すとすっとルシオラが横島の顔を布巾で拭いた。
 なお相方のタマモはいまだ布団の中で夢の世界であった。

「美神さん」

 おキヌはしばしその様子に苦笑したが何か思いついて美神に耳打ちした。
 美神はそれに頷くとどうしたものかと考え込んだ。




「で? 一体どうしたのよ?」

 美神は横島一人に厄珍の所へ買い物に行かせて、その間にルシオラに話かけた。

「え? 何がですか?」

「横島君から聞いたわよ? なぜかあんたが全然触らせてくれないって」

「それに今日来た時もばらばらでしたし…横島さんと一緒にいる時でも避けてはいなかったですけど触らせもしなかったじゃないですか」

「といってもそれに気がついたのは今日だけどね?」

「喧嘩…じゃないみたいだし………どうしたんですか?」

 美神とおキヌがそう訊くとルシオラはしばらくうつむいた後二人に泣きすがった。

「え? ちょ、ルシオラ?」

「どどど、どうしたんですか?」

「グス、エッグ………美神さん、おキヌちゃん…私、私」

「「???」」

「私、太っちゃったみたいなんです!!」

 ルシオラはそう言うと事の発端を涙ながらに語った。

「最初はタダオの寝言なんです………重いとか肉が多いとか言われて…もちろん寝言ですけど…
 それに最近腰周りやお尻とかふくらはぎとかにお肉が付いてきたし…」

「そう? 私から見れば何の問題も無い様に見えるけど?」

「私も最初はそこまで深刻には考えなかったんですが…
 後で雑誌とかを見たらこの時期ってかなり太りやすい時期だそうじゃないですか!!
 それに私達がそう思ってもタダオが重いとか太ったとか思われたら駄目なんです!!」

「確かに…」

「だから私色々走ったりダイエット用品を買ってみたりしているんですが…」

「ふうん」

「今日もタダオには先に行ってもらってその隙に注文しておいた店から取ってきたんです」

「だいたい事情はわかったは、取り合えず横島君がルシオラの事どう思ってるか聞いてみる必要がありそうね」

 美神はそう言うと横島が帰ってくるまでルシオラにダイエットの方法を色々教えた。
 それに食いついたルシオラとおキヌはメモを片手に何度も頷いていた。
 なおなぜおキヌもかと言うと、

「私300年幽霊やっていたものでそういうのはまだちょっと解らないんですよ」

 だそうだ。

「ウイ〜ス、横島忠夫ただいま帰還しました〜」

 横島が帰ってくるとそれまで三人で色々しゃべっていた女性陣がいっせいに横島に詰め寄った。

「うお! なんだ!?」

「横島君、ちょっと教えてくれない?」

「なんすか?」

「取り合えずあんたルシオラが太ってるとか思ってんの?」

「へ? いや全然…そりゃ最初の頃よりは腰周りが充実してますが俺的に嬉しいし、たとえば夜とか夜とか夜とか…」

 横島はそう言うとじゅるっとよだれを垂らしながら虚空を見た。
 その反応にルシオラがいやんいやんと首を横に振りながらこれまた妄想へ入り、おキヌは顔を真っ赤にし、美神は呆れたようにため息を付いた。

「何かしら、思いっきり惚気られた気がするわ…」

 取り合えず横島をしばきながら美神は疲れたようにそう呟いた。
 結局その後ルシオラの勘違いと言う事に落ち着き、ルシオラは今まで以上に自分の体に磨きをかけていった。

「いや、今のままでも俺は無茶苦茶嬉しいしそんな頑張らなくて良いんだぞ?」

「うん…けど私もっと綺麗になれる気がするの、やっぱりタダオには一番綺麗な私の事を好きになってほしいし」

 後日いまだにダイエットや運動をしているルシオラに言ったところそう返され、横島は嬉しくなってルシオラに飛びつき、かわされて地面をキスをした。




(あとがき)
横島> ん? 何だコリャ? <そういいながら紙を拾う
何々?

『次回以降はかなり時間を置いて書く事にします、取り合えず目標は12月中旬あたりで…
 ご意見ご感想等あればよろしくお願いします。 作者より』

…んで肝心の作者は…?
ルシオラ> ふうふう………まったく、どこへ行ったの?
必ず見つけ出して実験体にするんだから!!!
横島> …ほんとに今年中に話し書けんのか?


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