「おめでと」

「おめでとうございます」

「おめでとう」

「おめでとさん」

「おめでとうでちゅ」

「おめでとう」

「おめでとう」

「おめでとうでござる」

「おめでとうですじゃあ」

「おめでとうございます」

「おめでとさん」

「おめでとう」

「おめでとう」

「おめでとうございます」

「有難うみんな」

「…つうかこれは一体どこのアニメの最終回ですか?」


 横島はそう言うと大樹とタイガーと雪之丞、パピリオと神父となぜか西条がわっはっはと笑い、その他(上から美神、おキヌ、百合子、ベスパ、タマモ、シロ、ピート、愛子、美智恵、小竜姫)がきょとんとした顔をしていた。




 ゴーストスイーパー美神 GOS

作:ガイギス

第23話





 二人の結婚式から数日後、

「ふい〜…ルシオラ、これで全部か?」

「ええと…そうね、ふう……」

 横島とルシオラは自宅で事務所を開く準備を進めていた。
 自宅を事務所にすると言う案もあったのだが、その場所がなく、また今は近くにペナントもない。

「ここからなら適度に美神さんとこからも離れてるんだけどな〜……」

「まあ無いものは仕方がないし…けどタダオ、これからどうしよう?」

「本当は美神さんとこの人工幽霊壱号みたいに強力な結界かつ応対出来る建物が一番良いんだけどな」

「う〜ん、私はあんまりそう言うのは解らないんだけど…多分そうはないんじゃない?」

「なんだよな〜」

 横島がそういうとう〜んと唸った。

「長田さんとこに良い物件ないかな〜?」

「あの方の場合だと見つけるよりも作るほうが早いんじゃないかね〜?」

「そうですね、零様もいますし…」

「そうだよな〜………ん?」

 虚空をにらみ考えていた横島は突然横から応答にノリで頷いて、それから違和感を覚えた。

「あ、どうも…」

「メド−サに………え〜とどちら様で、っ痛た!」

「ヴォルツだよ! まったく、何であたしの事は覚えててこいつの事は忘れるんだい?」

「そりゃやっぱり腹を痛めて生んだ子の事は覚えてるだろうが」

「「えッ!?」」

 横島がそう言うとメドーサが反応するよりも早くルシオラとヴォルツが反応し横島とメドーサを交互に見た。

「ど、どういう事ですか!? メドーサ?」

「一体なんでタダオが生むのよ!?」

「まあまあ、落ち着いておふた……ブギャ!」

 横島がまあまあと両手をかざして二人を押し留めるとその間からメドーサの拳が横島の顔面を捉えた。

「ったく、何を言い出すかと思えば…あれはノーカウントだよ」

「なぬ!?」

「だってあたしは復活した後すぐ大気圏で燃え尽きたからねえ…」

「そ、そんな事があったんですか!?」

 ヴォルツはそう言うと心配そうにメドーサをみた。

「ただ…」

「「???」」

「何で一緒に落ちたお前は生きてるんだい?」

 メドーサの一言にヴォルツは驚愕し、ルシオラは驚いたがすぐ納得した。

「やっぱりタダオだし?」

「俺は地球外生命体ですか〜〜〜〜〜!!!!!!?」

 横島がそう言うとメドーサはふっと笑って、

「何言ってんだい、あんたはとっくにそこのルシオラと一緒に人でも魔でもない者になったんだじゃないか?」

「あん時はまだ普通の学生だ!」

「あれでかい?」

「し、信じられない」

「う〜ん、話を聞くととっても『普通』とは言えない様な…」

 3人がそう言って横島を哀れなような脅威な様な面白そうな眼差しで見た。
 横島はそれにうっと言って後ずさると、

「ど畜生――――!!」

 といいその場を駆け出し隣の部屋へ入って引き戸をバシンと閉め…勢い余って弾かれた戸を今度はそっと閉めた。

「ほらルシオラ、話が進まないから早く呼んで来な」

「え? あ、はい!」

 ルシオラはそう言うと急いで横島が向かった寝室へ行った。
 しばらくそこでは話し声が聞こえ、もうしばらくすると今度はぴたりと音がしなくなった。

「…何をやってたんだい?」

 メドーサは出てきた二人にそう言うと二人は赤い顔をしながら顔を伏せた。
 取り合えずルシオラが寝室へ行ってから5分以内で二人が出て来た事を追記しておく。




「さて、ここへ来た本題なんですが…」

 ヴォルツがそう言うと横島とルシオラは顔を引き締めた。

「まずはお二人ともご結婚おめでとうございます」

「本当ならあたし達もあんた等の結婚式に出席するつもりだったんだけどね〜」

 ヴォルツとメドーサがそう言うと横島達は照れたように一度頭を下げた。

「まあ経緯はちょっと色々あってね」

「実は佑輔様の曾祖父様がちょうどその前日になくなられまして…」

「「え?」」

「ま、あっちとはここ半年ぐらい前から接触を持ち始めてたんだけどね…」

「そちらへお二人ともども私達計五人で向かうよう言われています。 あ、お二人は参加するしないはご自由に、だそうです」

「取り合えず行くんならルシオラはこれな」

 メドーサはそう言うとルシオラにパスポートを投げてよこした。

「出発は明日だから行く行かないも含めてまた明日訊くからね」

「えっと、そういえばどこへ行くんです?」

「レーゲンシュヴァンツ共和国です」

「レ? シュ?」

「オーストリアとスロバキア、ハンガリーの国境沿いに位置する小国です」

「5人って? 零さんはあっちではないんですか?」

「実は曽祖父様がお亡くなりになる前のご容態が悪い時に佑輔様だけ向われたのですが間に合わず、帰国する事がままならなかったんです」

「と言うかそのままあの方に屋敷やら土地やらを遺産として貰った様でね、まああの方が起こした会社の方は殆ど下の魔族や部下がやってるんで大丈夫だけどね」

「え? 魔族ってそんなにいるの?」

「取り合えず私達のほかに頭脳及び人化特化魔族をドクターカオスを中心に生成を行いました」

「ど、ドクターカオス!? ……大丈夫なのか?」

 横島は心配そうにヴォルツを見た。

「はい…最初のほうはボケ…いえ、痴呆と言った方がいいでしょうか? その為こちらもかなり大変でしたがこちらの時間で半年間ワンダーランドで異世界に行き若返りの薬を作り上げたのです」

「と言っても最盛期まで若返った訳では無さそうだけどねえ?」

「まあ取り合えずと言った所ですね…失敗と言うかボケが始まって間もなくですからまだ何とかなっています」

「と言っても魔族生成期が2度ほど使い物にならなくなったりもなったんだけどね…」

「え?」

 ルシオラはメドーサの一言に顔を引きつらせたがその横で横島はうんうんと頷いていた。

「と言う事は私達が最初に来たとこも?」

「いえ、あそこは実験施設及びワンダーランド専用ですので…要請はありましたが佑輔様が却下しています」

「そうなんだ〜」

 ルシオラがそう言うと横島はほっとため息を付いて安堵した。

「それじゃまた明日来るから行く行かないかも含めて用意しておくんだよ」

 メドーサはそう言うとヴォルツと共に玄関の鍵を開けて出て行った。

「そういえば…」

「ん?」

 ルシオラは首をかしげながら言った。

「あの二人、どこから入ってきたんだろう?」

 ルシオラがそう言うと横島はう〜んと唸った。




「それで準備は出来たのかい?」

 メドーサは前日と同じく何処からともなく横島達の前に現れた。

「おう、行く準備は出来てるぞ?」

「それで…ヴォルツさんは?」

「外で待ってるよ」

 メドーサがそう言うと横島はいつものジージャンジーンズ姿、ルシオラもセーターに長めのスカートをはいていた。
 二人は特に荷物も持たずメドーサに誘われて玄関から出た。
 途中メドーサに、

「荷物は?」

 と訊かれると、ルシオラは得意そうに、

「地究号の中よ」

 と答えたがメドーサはそれが何なのか解らず一度首を捻るもまあ良いかと考え直した。
 横島達が暮らすマンションの前には一台のワゴンが止まっていて、メドーサたちが姿を現すと運転席からヴォルツが出てきた。
 横島たち3人はヴォルツが開けた後部座席から入ると、傍から見ても珍しく膨れている零がいた。

「こんにちわ零さん! 相変わらずお美しい!!」

 横島がそう道化を演じても零はフルフルと首を横に振るだけで何も答えず急かす様にヴォルツをみた。
 なお横島は次の瞬間ルシオラに百合子と同じヘッドロックを掛けていた。
 どうやら時たまする電話でその技のやり方を学んだらしく、効果的かつ静かにその技は極まっていた。
 車の中はしばらく異常な空気のに包まれたが、空港へは無事(若干一名(?)が付く)付く事ができた。
 その数分後、5人は空の人となった。




 円形の建物の天井から、静かに光が降りてくる。
 だだっ広い建物の中、規則正しく置かれた蒼い椅子に横島たち5人は座っていた。
 周りではひっきりなしでドイツ語と英語らしきアナウンスが流れるが生憎横島にそれを理解する力はなかった。

「それで? これからどうすんだ?」

 横島がそうメドーサに訊くと、

「取り合えず迎えのまわすと言ってたんだけどねえ……」

「来た」

 零がそう言うとある方向を指差した。
 そこには小柄のいかにも日本の30代サラリーマン風の男がこちらを見つけ走って来ていた。

「お待たせしました、会長がお待ちですこのまま私に付いて来て下さい」

 彼は回りのアナウンスに負けないよう少し大きな声で横島達にそう言った。
 その男は横島たち5人を連れ、階段を下り、そのまま外へ出てしまった。
 外と言ってもタクシーやバスの並ぶロータリーとか、ウィーンの町並みなんかじゃない。
 もろ滑走路、そんでもろ格納庫。
 タラップや整備車両がぎゅんぎゅん走るその横をその男は時折横島達を振り返りつつ案内していった。

「はぁ〜」

 横島は滑走路に出るとため息を付いた。

「どうしたの?」

「いや、俺は結構前にも一度ヨーロッパには来たんだけどよ…その時もこういう風に街とか見るまもなくただ乗り換えただけなんだよ。一度でいいからちゃんとヨーロッパの街もみて回りたいな〜と思っただけだ」

「そうなんだ」

「それじゃ帰りの時にでも回るのはどうだい? それぐらいの時間はあるだろう?」

「なら良いんだけどな」

 横島はメドーサの提案に力のない微笑で答えた。
 そうこうする内横島達は男の案内で二つの大きなプロペラを持つ大型ヘリコプターの前まで案内さえた。
 その中では早くも操縦者二人が準備を完了しており、横島たちがヘリを確認すると、おもむろに二つの大きなプロペラが回り始めた。
 横島たち5人は少し五月蠅くなり始めたヘリに乗り、ウィーンを後にした。




「うわ〜」

「へ〜」

 横島とルシオラはヘリの乗っている間ヘリの窓から外を覗き込み、雄大な景色を満喫した。
 茶色をベースにした屋根がレゴ○ロックみたいに並び、それがゆったりとうねる緑の稜線の果てに消えてそれから深い谷が現れた。
 山の頂がどんどんヘリに迫り、はるか下で川の面が光を放っていた。
 その山を越えるとそこは緑の絨毯と丘陵の合間に幾つかの水溜りが見えた。

「レーゲンシュヴァンツとはレイン・テールと言う意味です」

 案内役の男がそう言った。

「ここの池や湖の殆どは永く続く雨によって作られたものであり、国名の由来もそこから来ています」

「「へ〜」」

 横島とルシオラはその事に感嘆の意をこめてそう相槌を打った。
 そうこうする内に、ヘリはゆっくりと高度を下ろし今まで水溜りだったほどのものが湖と言っていいくらいの大きさに見えるくらいまで下がってきた。
 その湖を囲むように森が広がり、その森の中に一目で城と解るような建物があった。
 どうやらヘリはそこを目指しているらしく、どんどん高度を落としていった。

「お、おぁ!?」

「どうしたの、タダオ?」

 横島が窓から城を覗くと横島はそんな奇声を上げた為、ルシオラは窓から横島の方へ顔を向けた。
 横島はそれに何でもないと答えつつも、その目は怪しい輝きを放っていた。
 ルシオラはそれに引きつつも警戒するよう自分に言い聞かせていた。
 横島達5人を乗せたヘリが城の大庭に着陸すると、零は一目散にヘリの扉を開け、走り出した。

「どうしたんですか!?」

「あ〜、まああれだね、あの方が行き成りいなくなったから…」

「…なるほど」

 メドーサの答えにルシオラが頷くとルシオラはヘリから城の石が敷かれた地面に足を移した。
 とその時、

「やあお嬢さん、その辺の喫茶店で一緒に茶でも如何です?」

 と横島にしては落ち着いた、でもはたから見ては思いっきり引きそうな勢いでナンパしていた。
 それにメドーサはガクッと肩を落とし、ヴォルツはポツーンと呆然とその光景を見ていた。

「な、なんじゃわれ?」

 横島はそれには? と言うような顔をし、その次の瞬間頭を後ろに仰け反らせた。

「はいはい、タダオはこっちですよ〜」

「え? え? あの、髪の毛痛いんですが…」

 ルシオラは横島の言葉を無視して後ろ髪を引っ張ってヘリの後ろ側に回った。
 その後しばらくヘリの裏側でさまざまな砕く音や電気音、潰す音がしばらく続いた。
 出てきたルシオラの手は血塗られていて、頬にも飛び血らしき物が付いていた。
 その姿にメドーサはもちろんヴォルツや横島にナンパされた女性も顔を引きつられていた。
 なお零は佑輔と抱き合っており、そちらとは別の空気を作っていた。




 取り合えず出会いがしらの一通りのギャグは無事終了し、横島達は自己紹介を始めた。
 なお佑輔と共にで出迎えた赤い髪の美人や巨漢の大男は横島の回復の早さに我が目を疑った。
 ギャグ体制の付いた横島はそん所そこらの妖怪や幽霊、魔族よりも素早く原型に戻る事が出来る。

「取り合えずこっちから…零にメドーサ、ヴォルツだ」

「…」

「メドーサだ」

「ど、どうも、ヴォルツといいます」

「ついでにメドーサとヴォルツは俺の部下、零は俺の伴侶だ」

「な、なんですと〜〜!?」

 佑輔がそう赤い髪の女性に紹介していると横で聞いていた横島がなぜか大声をあげた。

「いった…(ズバン!)」

 横島が佑輔に詰め寄ろうとしたらルシオラがどこから出したのかは鉄扇で横島の頭を殴打した。

「見てればすぐ解るはずだよ?」

「そうよ、タダオ? 変な事言わないの」

 メドーサとルシオラにさらにそう言われ横島はへ〜いと返事をした。

「んでさっきから騒がしいのが俺が連れてきた客人の横島忠夫とルシオラだ」

「わしの名はアデル。アデライーデ・フォン・フリューゲルト」

「ついでに俺の曾爺さんの奥さん…らしい」

「らしいと…「な、なんですと〜〜〜〜〜!!?」」

 赤い髪の女、アデルが何か言う前に横島は叫んだ。
 なお横にいるストッパー役のルシオラも驚いている為、横島はさらに暴走を続けた。

「おい! あんたの曾爺さんって一体何歳だよ? 最低でも80は超えてるよな? なに? ロリコンですか? 何でもっと上の年の人じゃなくてどう見ても20代になってるかなってないかの小娘と結婚してるんですか?」

「確か…曾爺さんは100歳超えていたと言う話だが…」

「神は死んだ〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 横島がそういって頭を抱え空に向って叫ぶと、アデルは我慢できなくなったのかそんな横島にとび蹴りを放った。
 ルシオラはそんな横島をスルーして、

「それで私達を何でここに?」

 と佑輔に質問した。
 なおその後ろでは横島がアデルにラッシュ後のアッパーを食らって宙を飛んでいた。

「まだ二人とも100%安定している訳じゃないからな、取り合えずしばらくは何ヶ月かに一回検診をしなきゃならないんだ。それなのにどうやら俺はここに缶詰になる事になるらしくてな…それとお前らの新婚旅行候補にここはどうかと下見させようかと…」

「はあ…お気遣いありがとうございます…」

「どうしてここに缶詰なんだ?」

「ここの遺産を継ぐ条件さ」

 いつの間にか復活していた横島に佑輔は答えた。

「遺産って?」

「この家」

 佑輔がそう言うと横島とルシオラはへ〜と感心しているのか驚いているのかいまいち薄いリアクションだった。
 まあメドーサや零、ヴォルツは無反応だったが。
 なおアデルは肩で息をしながら元の立ち居地に戻っていた。

「さて、自己紹介はこれぐらいにしてこの中の案内でもしようか?」

「あ、はい」

「二人の調整は本拠地とここに移動術式ラインを確保してからだから…後2〜3日待ってくれや」

「ういっす」

 横島達がそう言うと佑輔は横島達を目の前の城へ招き入れた。




(あとがき)

作者>さあや…

横島>ちょ、何でここで終わりですか〜〜〜〜!?

作者>いいじゃん

横島>てか俺折檻されてたんですが?

作者>そりゃ2回も女性にナンパするほうが悪い

横島>や、そりゃあ美人にナンパすんのは俺が息をするのと同じ自然な…

ルシオラ>へ〜………

横島>うお!? ルシオラ!

ルシオラ>横島、ちょっと話しがあるからこっち来てね〜?<そういいながら横島の襟首を掴んでずるずると退場

横島>え? ちょ、ま………

作者>さて、今回はある小説とのクロスです。

(どこからか悲鳴が聞こえる)

作者>取り合えず事態は次回で収縮させ…られたらいいな〜と思ってます。

(今度は静かになりなにやらぼそぼそ話している声が聞こえる)

作者>それではこれで、また次回会いましょう

(なにやら喧嘩とは違う、けど時より大きな声が聞こえる)

作者>そ、それではこれで!


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