フェダーイン・横島
第92話
………… | ここは…どこ……? |
………… | 私…知ってるわ |
………… | 確か……人間達の病院って呼ぶ所ね |
………… | そう…。私…また見るはずのない光景を見ているのね |
………… | 今回は……私、誰かに寄り添いベッドで寝てる――これって、添い寝ってやつかしら? |
………… | でも、暖かいわ。これが…温もりというもの? |
………… | あっ、顔が見えた! |
………… | 相手は……やっぱり、いつも出てくるこの人間 |
………… | これって、やっぱり夢っていうものなのかしら? |
………… | 私がこの調整槽で生を受け、魂がこの世に定着したと同時に、頭の中に流れ込むように浮かんだビジョン |
………… | それは楽しそうに笑う自分自身と、頭に角を生やした…おそらく神族の女性。そして……いつも優しい眼差しで私を見詰める人間のオトコ |
………… | その時にはわからなかったけど、あの時私は確かに喜びと安心を感じていた |
………… | 私を愛おしむように抱き締める、おまえは誰? |
………… | 私の心をこんなにかき乱す、おまえは何? |
………… | 私、壊れているのかしら? |
………… | でも……私はおまえに会いたい…… |
………… | その時、おまえはその優しい笑顔で、私を抱き締めてくれるかしら? |
………… | そうね、もうすぐ外に出られるから、必ず探し出してみせるわ |
………… | それが……アシュ様の言いつけに背く事に……ならないといいけど…… |