GS美神 極楽大作戦!!

〜午前十一時のきみへ〜

作:PP−1

第一話『契り』 (2)












カーテンの閉じられていない窓ガラスから差し込む陽の光が、瞼越しに視神経に刺激を与えてくる。
眠りの海の底深くに沈降していた意識が、ゆっくりと浮上していく。
彼は、自分が目覚めようとしていることを微かに知覚していた。
徐々に拡散していた自我が再構成され、無意識の内に自分が“横島忠夫”という存在である事を認知する。
いつもとなんら変わりのない目覚めのプロセス。
また今日も一日、世界と向かい合う為の儀式。

今までの日常と同じように、横島は目を覚ました。

寝起き。
視界も意識も未だぼんやりとしている。
横島は朦朧としたまま時刻を確認しようとして、枕元の目覚し時計に目をやった。

時計の針は、あと十五分ほどで十一時を指し示そうとしている。
おそらく晴天らしい外界の様子からして、当然午前十一時であろう。

(・・・なんだかずいぶんとのんびり寝ちまったな・・・)

未だ覚醒しきらない脳細胞から今日が休日であるという情報が自然と転がり出て来る。

(・・・ま・・・休みだし別にいーか・・・)

横島はしばらくの間、目の前でゆらゆらと揺れる小指ほどの太さの触角を茫洋と眺めた。

すう、すう。
所有者の安らかな寝息に合わせてゆっくりと揺れる触角。

夢でも見ているのだろうか。
時折り、ぴくり、と何かに反応する様が面白い。

横島は何気なく指を伸ばし、そっと触角に触れてみた。指先で優しく撫でる。

「・・・ぅん・・・」

吐息と共に零れ落ちた甘い声と、どこか甘えるように擦り寄ってくる触角。

(・・・ははは・・・なんか可愛いな・・・そう言えば昨夜も・・・)

そうだ、昨夜も確か・・・。



「ッ!?!!!」



待て。
待て待て待て。
落ち着け。

横島は自分自身に言い聞かせつつ、ゆっくりと現状を確認した。

薄手の夏掛けを掛けただけで、トランクス一枚で寝ている自分。
それはよい。
問題ない。

問題は目の前でゆらゆらと揺れるこの触角。
当然触角が単独で存在しているなどということは基本的に有り得ないわけであり・・・。

横島の視線が少しずつ触角を遡る。

・・・触角の所有者は、幸せそうな寝顔をしていた。
横島の左腕を枕にして、肩口の辺りに顔を埋めて眠っている。
伝わってくる感触から、彼女がほぼ横島と同様の・・・裸に近い格好でいることがわかった。

「・・・ルシオラ・・・」

横島は呆然とその名を口にした。
まるでその一言がキーワードでもあったかのように、彼の脳裏に昨夜の出来事が劇場サイズフルスクリーンで瞬時に再生される。音声は5.1chドルビーサラウンドだ。



「!!!」



瞬時に眠気などは吹き飛ぶ。
横島は思わず跳ね起きようとして、一瞬頭をもたげた。
けれどすぐに自分に寄り添って安眠する少女に意識が及び、思い留まる。

・・・思い出した。
完璧に思い出した。
細部に至るまで詳細に思い出した。
詳しくは言えないが、色々と思い出してしまった。

「・・・そうか・・・」

横島は目を閉じると小さく息を吐き、呟いた。

昨夜、彼はついに、とうとう、ようやく、信じ難い事ながら、大人の階段を上っていたのだ。

「・・・そうか・・・」

カッと目を見開き、自由になる右手の拳を目の前にかざす。
間違いない。これは現実だ。夢オチでも妄想でもない。

「ふは・・・ふははははははは・・・ヤった・・・もとい、やった・・・!!
 俺はついにやった・・・!!!
 苦節十七年・・・ついに俺は男になったんや・・・!!!
 具体的な描写がなかったのが心残りだが・・・いや、全ては俺の心の中にッ!!!」

流石に眠る少女を気遣ってか、小声で、しかし裂帛の気合を込めて言う横島。

だが・・・。

「ふはははははははははッ!!
 人生っていいなあッ!!
 青春っていいなあッ!!
 ・・・
 ・・・
 ・・・
 ・・・なんて・・・な・・・」

すぐにその声色も表情も、どこか生真面目なものになってしまう。

横島はもう一度小さく息を吐くと、その瞳に優しげな色を浮かべた。

「・・・そうか・・・」

横島はそのまま黙ると、彼の初めての少女を見つめる。
安心しきった子供のような、そんな表情で眠る彼女。
痺れてしまってほとんど感覚のない左腕に感じる重み。

彼女の、重さ。

横島は微かに笑みを浮かべると、そっと左腕を彼女の頭の下から抜いた。
少しだけ持ち上げた頭の下に、それまで自分が使っていた枕を入れてやる。

「・・・むにゃ・・・」

少女は小さく声を上げたが、そのまま次の枕に頬を摺り寄せると再び愛らしい寝息を立て始めた。

安堵して静かに布団から抜け出す横島。
手洗いへ行き、用を足してすぐに戻ってくる。

横島は、洗濯したままハンガーに掛けて干しっ放しにしてある無地の白いTシャツを手に取った。

「・・・さて・・・どーすっかな・・・」

とりあえずTシャツを着て、寝癖のついたぼさぼさの髪の毛をかき回す。
そのまま何気なく視線を寝床に落とすと、半ば乱れたタオルケットに隠されたルシオラの瑞々しい肢体。

「・・・・・・」

・・・自然と、目が釘付けになった。
先程までは自分もそこで一緒に寝ていたのでわからなかったが・・・。

眠る少女は、信じられないほどに美しく、愛らしく、艶やかだった。
まるで身体全体がうっすらと輝いているかのような錯覚すら覚えるほどに。

思わず、ぐびり、と喉が鳴る。

今見えているのは、胸元から上と膝から下だけ。
だが、あのタオルケットの下には、ほぼ全裸に近い美少女がいるのだ。
そして、月明かりの下とは言え、自分はその全てを見ているのだ。

「・・・い、一度見ているんだし・・・別に・・・いーよな・・・」

誰にともなく言い訳をしてしまう横島。
邪なオーラを漂わせて蠢く手が、気配を消しつつルシオラに迫る。
指先が、タオルケットの端を掴んだ。
そろり、そろりと捲っていく。

その時、ふと、ルシオラの口が小さく動いた。
そこから明瞭な意味のある言葉は発せられなかったが、横島にはその唇の動きが自然と読み取れた。
昨夜、何度も見た唇の動き。
甘く彼の名を呼ぶ、彼女。

「・・・・・・・・・」

・・・結局、横島は彼女にタオルケットを掛けなおしてしまった。

「・・・はぁ・・・俺って・・・こんなに節度のある男やったかなー・・・」

頭をぼりぼりとかきながら立ち上がると、窓ガラスを静かに開け放つ。
窓枠に腰を下ろし、手すりに肘を掛ける。
カーテンを軽くはためかせるそよ風が心地いい。

(・・・経験すると、世界が違って見えるって言うけど・・・)

窓から見える見慣れた街並み。
犬の散歩をする少女。時折り通り過ぎる車。自転車のベル。遠くから風に乗って聞こえて来る子供達の声。
休日の午前中、世界はただ静かに、そこに在った。
何も変わってなどいない。

もしも、何か変化したものがあるのだとすれば・・・。

横島は、首をゆっくりとめぐらし、視線を部屋の中へ戻した。
窓から入り勝手口へと抜けていく優しいそよ風が、眠る少女の、細く艶やかな絹糸を思わせる黒髪をなびく。

「・・・まったく・・・何だって俺みたいな男に惚れたんだか・・・。
 ・・・昨日だって・・・ヤリたいのヤリたくないのって・・・てめえのことばっかりで・・・。
 ・・・おまえの気持ちなんか・・・全然・・・考えてなくて・・・」

抱くということは、彼が考えていたよりも遥かに容易いことだった。
抱くということは、彼の想像など及びも着かないほど重いことだった。

飽くことなく見つめる少女の寝顔に、昨夜見た彼女の表情がいくつも重なっていく。

頬を染め、熱い呼気を洩らして。
潤んだ瞳で、じっと見つめ返して。
目を閉じて、何かを堪えて。
薬指を噛んで、声を上げる事を我慢して。

涙。

破瓜。
硬直した身体。
背中に食い込んでくる、指先の爪。

それでも。
心配する彼に向けられた、一分の苦痛も感じさせない、笑顔。

奇麗な、笑顔。

おそらく、自分は一生あの瞬間を忘れないだろう。
静かに目を閉じた横島は、そう思った。

奇跡の様に横島の胸に溢れた想い。
今まで知らなかった気持ち。

慈しみたい。
蹂躙したい。
優しくしたい。
従わせたい。
守りたい。
犯したい。

幸せにしたい。
大切に、したい。

泣かせたい。
泣かせたくない。

笑っていて。

笑って。

嵐のように激しく。
矛盾する、けれど真実の、感情。

そして、その一瞬の激情が通り過ぎて。
全てを洗い流した後に。

剥き出しになった横島の心の底に、ころんと転がっていた単純な気持ち。



ボクはキミがスキ。



横島は、ゆっくりと目を開けた。
安らかに眠る彼の少女を、静かに、ただ静かに見つめる。見守る。
まるで、自分自身の想いを確かめるかのように。

飛び立つ小鳥の囀り。
カーテンが、大きくはためく。
この優しい風に乗って、きみにこの想いが届けばいいのに。

横島は立ち上がった。
ルシオラの隣に跪き、その小さな白い顔を覗き込む。

欲望の裏側にあったもの。

自分は今まで何も知らなかった。
でも、今は知っている。

この時代、この惑星(ほし)の上に生まれて、きみと出会えた奇跡。
自分自身よりも大切な女(ひと)がいるということ。
愛しいという気持ち。

「・・・結局、おまえを抱くまで・・・こんな簡単なこともわからねーんだからなぁ・・・。
 ・・・まあ、スケベな俺らしいっちゃあ俺らしいが・・・我ながら・・・呆れるよなぁ・・・」

横島はそっと手を伸ばすと、ルシオラの手を包み込んだ。
白くて小さな手。温かくて柔らかい。

心が、震える。
胸が切なくて、苦しくて、痛くて・・・幸せで・・・泣けそうなほどに甘い想い。

まるで自分がどうにかなってしまいそうな、ばらばらになってしまいそうな、そんな気さえする。

横島は、微かに震える小さな声で想いを言葉にした。

「・・・ルシオラ・・・愛してるよ・・・」

言ってから、横島は気付く。
彼女からは、何度も想いを告げられた。昨夜も、彼女は彼の目を見つめて想いを伝えてきた。
けれど、自分はまだ彼女に何も伝えていないではないか。
昨夜はただただ必死で、余裕がなくて、言葉を発することすら出来なかったのだ。

そうだ。
おまえが目を覚ましたら、真っ先にこの想いを伝えよう。
胸いっぱいに溢れる、この想いを。

少女の手を握る少年の手に、自然と力がこもった。

「・・・・・・ん・・・・・・」

横島の気配に感応したのか、小さく声を漏らすルシオラ。
長い睫毛に縁取られた瞼がぴくぴくと震える。

横島が見守る中、ルシオラはゆっくりと瞼を開けた。
すぐには意識がはっきりしないのか、霞む瞳で横島を見つめてくる。
三回瞬きをした後、瞳に光彩が満ちた。焦点が合ったようだった。

「・・・おはよう・・・」

「・・・おはよう・・・ヨコシマ・・・」

未だどこか寝ぼけたような柔らかい笑みを見せる少女。
自分の右手を包み込む横島の右手に左手を重ね、きゅ、と握ってくる。

「・・・ルシオラ・・・」

「・・・なぁに・・・?」

横島は、ルシオラの瞳を覗き込み、言葉を紡ごうとした。
ルシオラは、まるであどけない幼女のように微笑んで、彼の言葉を待つ。

言葉を、見つけたんだ。
おまえと一緒にいるだけで、後から後から泉のように湧き出てくる、たくさんの優しくて狂おしい気持ち。
それを伝えられる言葉を、見つけたんだ。

「・・・ルシオラ・・・あ・・・あ・・・」

「・・・???・・・」

なかなか言葉を発することが出来ない横島。
少女が瞼を開いただけで、彼女に見つめられているだけで、喉元まで出掛かった気持ちがUターンしてしまう。
心はこんなに震えているのに、声帯は思うように震えてくれない。

「・・・あ・・・あのさ・・・」

「・・・ぅん・・・?」

やはりまだ眠いのか、少し不思議そうな表情で目元をこすり、恋人の言葉を待つ少女。
その様子に、先程までの彼女の寝顔が横島の脳裏に映し出される。
硬直していた横島の喉から、思わず、と言った感じで言葉が零れ落ちた。

「・・・あ・・・ね、寝顔・・・可愛かったよ・・・」

「・・・え・・・ねがお・・・かわいい・・・・・・。
 ・・・寝顔・・・可愛い・・・って・・・やだ!?
 ヨコシマったら寝顔を見てるなんて!!・・・・って・・・え・・・あれ・・・・・・?」

横島の言葉に、羞恥に頬を染めて愛らしく憤慨してみせるルシオラだったが、すぐに何事か疑問点に思い至ったらしい。
驚いた様子で考え込む。果たして彼女の脳裏でどのような思考や記憶が展開されているのだろうか。

「・・・あ・・・そっか・・・私・・・ヨコシマと・・・」

ようやくはっきりと目が覚めた、という様子で呟くルシオラ。
次の瞬間、ルシオラの白い肌が胸元から額まで、見る見るうちに真っ赤に染まった。
胸元から下はタオルケットに隠されて見えないが、そちらもおそらく同様であろう。

「きゃあっ!!!」

可愛らしく一声叫ぶと、少女はタオルケットに潜り込んでしまった。
隠れそこなった触角だけがひょっこりと出ているが、やはり「きゃあっ!!!」といった感じで揺れている。

「・・・え・・・ル、ルシオラ・・・どーしたの?」

横島としては戸惑わざるを得ない。
お互い全て見せ合った仲だというのに、いったい今更何を恥ずかしがることがあるというのだろうか。

「は、恥ずかしいからにきまってるでしょ!? わかんないのっ!?」

「・・・そ・・・そーゆーもんなのか・・・?」

「そーゆーもんなのっ!!」

「・・・ふーん・・・」

とりあえず生返事を返すしかない横島。今一つその辺りの女心の機微が理解しきれない。
まあ、ここは彼女の言う通り“そーゆーもん”なのだと考えておくしかないのだろう。
実際、含羞の表情を見せるルシオラはとても可愛らしく、“そーゆーもん”で何一つ問題は無かった。

むしろ横島的に問題なのは、せっかく『告白』(今更だが)をしようと盛り上がっていた雰囲気に水が差されたことである。
正確には横島が自分で水を差してしまったので、自業自得であり誰にも文句は言えないのだが・・・。

ルシオラが“流れ”にこだわった理由が良くわかった気がした。

「・・・あ、あの・・・」

内心頭を抱えている横島に、おずおず、といった感じで声を掛けてくるルシオラ。
タオルケットの端をきゅっと掴んで、目だけを覗かせて恥ずかしそうにこちらを見ている。

「・・・私・・・鼾とか涎とか・・・歯軋りとか寝言とか・・・大丈夫だったよね・・・?」

その不安そうな少女の仕草に、横島は思わず破顔した。なるほど、これが“そーゆーもん”の一端なのであろう。

(まあ・・・告白はまた今度でいーか。
 俺達これから・・・時間はちゃんとあるんだからな・・・)

横島はあっさりと頭を切り替えるとニヤリと笑い、ルシオラの隣に寝転がった。
額同士をこつんと合わせると、羞恥を含んだ恋人の瞳を覗き込む。自然と沸き起こる悪戯心。

告白の緊張感から開放された横島の心は軽い。
“せっぱつまっていた以前”には無かった余裕があることも自覚できる。

「別に大丈夫だったぜ?
 鼾もかいてなかったし、涎も垂らしてなかった。 当然歯軋りもしてなかったよ?」

目に見えてホッとする少女の瞳。
そんな彼女の一挙手一投足が横島には愛しくて、可愛らしくて仕方が無い。

「あ・・・でも・・・寝言は言ってたっけな・・・」

ぴん、とルシオラの触角が硬直した。
恐る恐る、といった感じで訊ねてくる。

「・・・え・・・な・・・なんて・・・?」

「・・・俺の名前を呼んで・・・それから・・・」

「・・・そ、それから・・・?」

横島は莞爾と笑った。
タオルケットの上から、優しくルシオラを抱き寄せる。

「あ・・・ヨコシマ・・・?」

頬を寄せ、耳元で囁く。

「・・・抱きしめて欲しい・・・ってさ」

「・・・や・・・やだ・・・もう・・・びっくりするじゃない・・・ふふふ・・・」

軽く驚いた様子を見せた後、嬉しそうに忍び笑いを漏らす腕の中の少女。

(・・・決まった・・・これ以上ないというほどに決まった・・・。
 ・・・思えば今までの俺って・・・飢えてたってゆーか・・・追いつめられてたってゆーか・・・。
 だから『ぐわー』とか迫って『いやー』とか言われて・・・。
 これや・・・俺が求めていたものはこれやったんや・・・。
 こーやって雰囲気と流れを作って自然にスキンシップを図ればよかったんや・・・。
 そーすれば・・・。
 この肌理の細かいすべすべのほっぺの感触も・・・。
 甘くていい匂いがするサラサラの髪の毛も・・・。
 やーらかくてあったかくてぷにぷにの身体も・・・。
 ちくしょー、可愛いぞルシオラ!!
 あー、もう、朝だけど辛抱たまらなくなってきたーーー!!)

「全部口に出てるわよ、ヨコシマ?」

「しまったーーーッ!? 俺ってばやっぱりこーゆーキャラなのかーーーッ!?」

自分で作った流れを自分で壊してしまい愕然とする横島。
あんな気障な台詞をせっかく言ったのに、と涙しつつツッコミを待つ。
けれど、腕の中のルシオラはいつまでも楽しそうにくすくすと笑っている。

「・・・ルシオラ・・・?」

横島はルシオラの顔を覗き込んだ。
少女は、嬉しそうに、楽しそうに、幸せそうに・・・笑っていた。
瞳に、今にも零れ落ちそうなほど涙を溜めて。

「・・・あ・・・あの・・・」

開きかけた横島の唇が、ルシオラの人差し指で塞がれる。

「くすくす・・・ねえ、ヨコシマ・・・?
 私・・・他にも寝言・・・言ってたでしょう・・・?」

「・・・え・・・?」



「・・・ヨコシマのことが・・・だいすき・・・って・・・」










…To be continued.



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